REZIL

戦略

 気候変動が当社事業に及ぼす影響とそれに対する戦略を策定するために、将来的に脱炭素化が進まず気候変動による影響が顕在化している”4℃の世界”と、脱炭素化が進み、気温上昇が抑えられている”1.5℃の世界”の2つのシナリオそれぞれにおいて、2030年度に想定するリスクと機会を特定しました。
 4℃の世界においては、当社の事業に大きな影響をおよぼすリスクと機会は無いと想定しています。1.5℃の世界においては、炭素価格、温室効果ガス排出量削減目標、電源構成の変化や非化石証書価格などが、財務に影響を及ぼす主なリスク要素となる見通しです。一方で脱炭素社会実現に向かう世界的な動きは、私たちレジルが社会課題の解決と利益創出を同時に実現し、循環させるための重要な機会と捉えており、そのための施策を積極的に進めてまいります。

 当社は、国内最大級のマンション一括受電事業者として全国2,200棟のマンションの居住者さまに、また、国内4,000社の法人のお客さまに電力を供給しています。(※1)
 マンションへは太陽光発電システムの導入設置を推進し、2030年には全国3,000棟への再生可能エネルギー100%の供給を見込んでいます。当社の「マンション防災サービス」(※2)は、マンション内で長期停電が発生しても給水ポンプやエレベーター等の共用部設備を使用することができるなど、脱炭素化と災害レジリエンスの高度化を同時に実現しています。さらに「マンション防災サービス」を導入するマンションを対象に、業界初の「マンション専有区画向けEV・PHEV充電サービス」(充電に使用する電力は実質再生可能エネルギー100%)を提供しています。

 また、法人のお客さまにとって大きな課題の1つである脱炭素化支援のため、太陽光発電の自己託送(※3)によって創出された環境価値の一部をJ-クレジット化して流通させる「じこたくエコクレジット 」サービスの提供を行っています。さらには、法人企業さまにとって喫緊の課題とされている災害時のBCP対策強化のため、業界で初めてビルへの産業用蓄電池導入費用を当社が負担する、「蓄電池活用によるビルのBCP対策強化プロジェクト」を推進しています。
 これらの太陽光発電・蓄電池・EV充電器・自己託送などのサービスを、私たちが分散型エネルギーコントロールを担いながら拡大し、マンションやオフィスビル、工場などの施設にとどまらず、社会全体の脱炭素化に貢献してまいります。

(※1)2023年7月時点

(※2)初期費用無料でマンション敷地内に太陽光発電システムと蓄電池を設置し、停電時にも共用部の電気使用が可能。2023年4月から提供開始。

(※3)遠隔地にある自社発電所で発電された電気を、送配電ネットワークを通じて自社設備へ送電する仕組み。