REZIL

2023年07月13日

ニュースリリース

カスタマーサポート業務における「生成AI」を活用した実証を開始 。AIの要約・感情分析・FAQ生成でカスタマーセンターの品質向上 ~AI要約を用い、平均5分程かかる応対履歴の登録業務の自動化と、詳細度合いの標準化を実現~

当社は、生成AIを活用してカスタマーセンターの業務改善と応対品質向上を図る実証実験を開始したことをお知らせします。
実証の第一段階では、応対内容の要約、第二段階では、顧客の感情や過去の応対履歴との類似性の分析、第三段階では、FAQの生成を生成AIが行います。生活に不可欠な電力のカスタマーセンターのオペレーターには豊富な専門知識と経験が求められ、当社はオペレーターの業務省力化と応対品質の水準向上に取り組んでいますが、この度生成AIを導入し、活用範囲を広げていく予定です。
なお生成AI活用の本稼働にあたっては、当社サービスのカスタマーセンターに加え運用業務を受託している他の電力・ガス関連企業10社のカスタマーセンターでも採用していきたいと考えています。
※当社が活用する生成AIについて:セキュリティとプライバシー保護の観点から、ChatGPTを提供するOpenAI社が「入力されたテキストを学習に利用しない」としている「OpenAI API」を活用。

■生成AI実証の背景
当社は、自社サービスであるマンション一括受電サービス(約2,200棟、約17.5万世帯)および電力小売事業(約8,000契約)のカスタマーセンターを運営しています。また、カスタマーサポートを含む運用業務や保守業務を、他の電力小売・一括受電サービス企業や大手LPガス関連企業など10社から受託しています。
エネルギー業界の専門知識に基づく応対マニュアルの使用やリーダーによるフォロー体制等によって、カスタマーセンターでは迅速かつ正確な応対に努めていますが、経験・知識が豊富なオペレーターの回答を学習した生成AIの活用を通して、カスタマーセンター全体の応対品質の水準をさらに引き上げ、メンバーの交代があっても水準を落とさず継続して運用していくことが期待できます。

■実証第一段階
生成AI活用の第一段階として、テキスト化した応対内容の要約を行います。カスタマーセンターのオペレーターには、応対終了後に応対履歴を登録する業務があります。この登録業務は平均5分程度かかっており、また、応対履歴を登録する詳細度合いはオペレーターによってばらつきが見られます。AI要約を用いれば、オペレーターの応対履歴登録にかかる時間を短縮し、応対履歴の詳細度合いを標準化できると期待されます。

■実証第二段階
第二段階では、応対内容から顧客の感情や過去の応対履歴との類似性を分析します。分析結果をもとに、顧客が言葉には出さない潜在的ニーズへの気づきを得られ、顧客満足向上につながるアクションをとることができます。

■実証第三段階
第三段階では、これまでの応対履歴を学習した生成AIがFAQを生成し、オペレーターの応対サポートを行います。電話応対中のオペレーターが問い合わせ内容を打ち込むと、生成AIが適切な回答スクリプトを提示します。オペレーターがリーダーのフォローを受けるケースが減少し、すべてのオペレーターが迅速・正確な応対が可能になります。

■今後について
各段階での実証結果に基づき、当社サービスのカスタマーセンターおよび受託するカスタマーセンターの運営に生成AI導入を推進していきます。さらに、AI技術を駆使しながら、より良い顧客体験を提供できる高品質なカスタマーセンターを運営するための努力を続けてまいります。

■開発担当者(執行役員 兼 情報システム部本部長 伊与田 陸)コメント
AIを、戦略的なツールと位置付けて実証を進めています。大規模言語モデルや生成AIを用いて、業務効率や顧客体験の向上、さらには新たなビジネスの機会を探求していきます。